大腸カメラ検査
大腸カメラ検査

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入して、内側から直腸、大腸を直接観察する検査です。大腸がんやポリープを見つけると同時に、多くのポリープや早い段階のがんの治療も行うことができます。
なぜ大腸カメラを受けたほうがいいのでしょうか。大きく3つ理由があります。
大腸がんは命に関わる病気ですが、早期発見、早期治療をすることで、完全に治しきる可能性が高くなります。
大腸がんの多くは「大腸ポリープ(特に腺腫)」から発生します。ポリープの段階で切除しておくことで、大腸がんの発症を予防し将来的な罹患率や死亡率を低減することができます。
大腸カメラでは、大腸がん以外にも「炎症性腸疾患」「虚血性腸炎」や「稀な感染性腸炎」などの良性疾患の診断も可能です。
実際に、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることで、大腸がんによる死亡率が減少することが証明されています。
詳しくは下記ページをご覧ください
健康診断で「便潜血陽性」と判定された方や、実際に血便を確認した方は、大腸からの出血が疑われます。
痔による出血のこともありますが、大腸ポリープや大腸がんなどの重大な病気が隠れている場合もあります。原因を正確に調べるためにも、早めに大腸カメラ検査を受けましょう。
便秘や下痢、腹痛が長く続いている
特に下痢が長く続く方は、大腸がんだけでなく、「炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)」の可能性もあります。これらは難治性の腸の病気で、早期発見と治療がとても大切です。
便が細くなった
大腸がんが進行すると、大腸の通り道(管腔)が狭くなり、便が細くなることがあります。
そのような症状がある場合は、早めに大腸カメラ検査を受けましょう。症状や状態によっては、検査の前にCTなどの画像検査を行うこともあります。
黒っぽい便、血が出る
痔や直腸など肛門に近い場所からの出血は、鮮やかな赤い血として見られます。
一方で、大腸の奥(回盲部など)からゆっくり出血している場合は、便が黒っぽくなることがあります。
40歳以上の方
この年代から大腸がんの発症率が高くなってきます。
実際、アメリカでは大腸がん検診(内視鏡検査)の推奨開始年齢を「50歳から45歳」に引き下げた結果、45〜50歳の早期がんの発見数が大きく増加しました。
つまり、45歳前後からの検査が、早期発見・早期治療につながることが明らかになっています。
ご家族に大腸がんの既往がある方
家族にがん疾患の多い方、特に大腸がんの家族歴がある方は、40代からの大腸内視鏡検査によるスクリーニングを推奨します。
遺伝的要因により発症リスクが高くなるため、早期からの定期的な検査が重要です。吹田市や北摂エリアで定期検査をお考えの方は、ぜひご相談ください。
過去に大腸ポリープを治療したことがある方
大腸ポリープ、とくに複数の腺腫を指摘・治療された方は、ポリープが再びできやすい傾向があります。再発や新しいポリープの早期発見のためにも、定期的な大腸カメラでのフォローをおすすめします。

当院では、大腸カメラ検査においても「鎮静の質」にこだわっています。
しっかり薬が効いた状態で、「気づいたら終わっていた」、または「気づかないうちに始まっていて、最後は一緒に画面を見られた」と感じていただけるような、苦痛の少ない楽な検査を目指しています。
検査後はすっきりと目が覚め、できるだけ早く普段の生活に戻っていただけるよう、患者様一人ひとりのニーズに合わせて薬の種類や量も細かく調整しています。
検査中、「深く眠って終わるまで気づきたくない」「終盤は目を覚まして早く帰りたい」「挿入のときだけ眠りたい」など、鎮静のご希望があれば、どうぞ遠慮なくお伝えください。可能な限り、患者様一人ひとりの希望に寄り添います。
「前回の検査がつらかった」「痛みが心配」という方も、安心してご相談ください。

内視鏡室は、鎮静や検査を安全に行えるように専用設計しました。
検査中はモニターで血圧・呼吸を常時確認し、電子カルテと照らし合わせながら診療します。機器はモニターはもちろん、内視鏡機器本体も天井吊り下げ式で床配線をなくし、内視鏡室を清潔に保ち、動線もスムーズ。検査後はそのままストレッチャーでリカバリールームへ移動し、安心して休んでいただけます。
当院では、FUJIFILM CAD EYE(内視鏡AI診断補助システム)を導入しています。
AIがリアルタイムで映像を解析し、ポリープや早期がんの可能性がある部位を即時に知らせます。見落としやすい平坦型病変も検出をサポートします。
さらに、ELUXEO 8000 光源システム(2024年発売)を採用。
暗部も明瞭に映し出し、LCI・BLIといった狭帯光観察機能で、微細な粘膜変化や血管走行をくっきり描出します。調光・諧調制御技術(E-DRIP)により、ハレーションを抑えつつ自然な色調で観察できるのも特長です。
使用する下部内視鏡スコープは FUJIFILM EC-760R-V/M。
従来より細く柔らかい設計で、体への負担を軽減しつつ操作性を高め、丁寧で精度の高い観察が可能です。

当院の大腸カメラは、内視鏡専門医が担当いたします。
チーム全員が豊富な知識と高度な技術を培い、これまで数多くの大腸内視鏡検査を経験してきた医師です。「自分や家族ならどう受けたいか」という視点を常に共有し、安心・安全で苦痛の少ない検査を提供しています。
さらに、女性医師による検査にも対応しており、「男性医師には抵抗がある」「恥ずかしさから検査をためらってしまう」という方にも安心して受けていただける体制を整えています。患者様一人ひとりの気持ちに寄り添い、できる限り不安や羞恥心を軽減できるよう心がけています。
当院では、大腸内視鏡検査で大腸ポリープを発見した場合、日帰りでの切除が可能です。
高周波スネアやクリップ止血システムを備えており、安全に処置できる体制を整えています。再来院の負担を減らし、がん予防に直結する診療を心がけています。
当院では胃カメラ+大腸カメラの同日検査に対応しています。
鎮静剤を使用し眠っている間に両方の検査が完了するため、仕事が忙しい方や検査を一度に終わらせたい方に最適です。

大腸カメラに必要な下剤は、院内の専用スペースで服用できます。複数のトイレを備え、Wi-Fiも完備しているため、快適に準備が行えます。自宅での服用に不安がある方にも安心してご利用いただける体制です。(院内内服枠には限りがあります。)
がんの好発年齢にあたる働き盛りの世代の方々など、平日の受診が難しい方にも検査を受けていただけるよう、当院では土曜日も大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を実施しています。
事前診察
現在お悩みの症状や病歴などをお伺いしたうえで、大腸カメラ検査の内容や前処置のことなどについて詳しくご説明します。検査日を決定し、看護師から下剤のお渡しをさせていただきます。食事制限や下剤の服用方法について詳しくご案内します。
検査の前日
21時までにお食事を終了していただき、以後絶食していただきます。寝る前に事前診察でお渡ししている下剤を服用してください。※水分は適宜摂ってください。
当日の前処置(1)
ご自宅かクリニックで決められた時間から、腸管洗浄剤を飲みはじめます。飲むスピードにも注意してください。
当日の前処置(2)
腸管洗浄剤を服用後、排便が始まり固形便→泥状便→水様便と変化します。濁りのない液状の便になったら、前処置終了です。
検査前の準備
便がきれいになったら検査着に着替えていただきます。着替えが済んだら検査室に入り、検査が始まります。
検査
鎮静剤を用いて眠っている間に検査を受けていただけます。検査時間は10分から20分ほどで終了します。ポリープが見つかった場合はその場で切除します。検査が終わったらリカバリー室で鎮静剤の効果が覚めるまで30分ほど安静にしていただきます。目がしっかり覚めてからお着替えください。
結果説明
検査後に医師より画像を見ながら説明します。検査後の注意点などスタッフより説明させていただきます。組織生検またはポリープ切除を行った場合は後日改めて結果説明にご来院いただくか、オンライン診療で結果説明を受けてください。
当院では動画で検査の流れをわかりやすく解説しています。初めて受けられる方も、事前にイメージを持つことで安心して検査に臨めます。
大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる小さな隆起状の腫瘍(できもの)です。放置してよいものもありますが、中には大腸がんに進展する可能性のあるタイプも存在します。大腸カメラ検査の際にポリープが見つかれば、その場で切除することが可能です。ほとんどの場合は日帰りで治療でき、入院の必要はありません。切除したポリープは病理検査に回し、がん細胞が含まれていないかどうかを詳しく調べます。
次のようなケースでは、安全のため日を改めたり、入院設備のある病院での治療をお願いすることがあります。
患者様の安全を最優先に、最適な治療方法をお伝えするのでご安心ください。
大腸ポリープ切除は、健康保険の適用となります。費用はポリープの数や大きさ、切除方法によって異なりますが、3割負担の方で3万円前後が目安です。切除したポリープを病理検査に回す場合も保険適用ですので、安心して検査を受けていただけます。
| 観察のみ | 観察+生検検査 | ポリープ切除 (日帰り手術) |
|
|---|---|---|---|
| 3割負担 | 6,000円前後 | 1万円前後 | 3〜4万円前後※ |
| 1割負担 | 2,000円前後 | 4,000円前後 | 1〜1.5万円前後※※ |
鎮静剤を使用するため、多くの方は「眠っている間に終わった」と感じられます。
鎮静剤を使用した場合は、当日の運転をしないように案内しております。公共交通機関や送迎をご利用ください。
大腸カメラは、大腸がんやポリープの早期発見・早期治療につながる大切な検査です。不安や疑問がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
安心して検査を受けたい方は、WEB予約またはお電話でご相談ください。
