急な激しい胃の痛み
急な激しい胃の痛み

仕事の合間に、急にみぞおちのあたりがズキズキと痛みだした——そんな経験はありませんか?
結論からお伝えすると、突然の胃の痛みの多くは少し休めば自然に落ち着く一時的な不調ですが、なかには放っておくと危険な病気のサインが隠れていることもあり、症状の見極めが重要です。
「これは様子を見ていいのか、それとも急いで病院に行くべきなのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、突然起こる激しい胃の痛みについて、考えられる原因や見分け方、胃を守るためにできる日常生活でのアドバイスを消化器内科の視点からわかりやすく解説します。
まず、みぞおち(心窩部)に起こる激しい痛みの原因は、胃だけとは限りません。比較的頻度が高いのは、次のような原因です。
また、心窩部の痛みは胃以外の臓器が関係していることも少なくありません。
さらに、ストレスや不規則な生活が背景にある「機能性ディスペプシア」(検査をしても異常が見つからないのに、胃の痛みや不快感がくり返し起こる状態)も、よくある原因の一つとされています。
このように、「胃の痛み」と感じていても、実際の原因はさまざまです。だからこそ、症状の見極めが大切になります。

突然の激しい胃の痛みが起きたとき、次のような症状があれば、緊急の対応が必要な病気が隠れている可能性があります。
ためらわず救急外来の受診や救急要請(#7119・119番)をご検討ください。
これらは、腹膜炎(穿孔)や消化管出血、急性膵炎、後述する心臓・血管の緊急疾患などを疑うサインとされています。
一方で、痛みが比較的軽く、短時間で自然に和らぎ、発熱や出血などをともなわず、食事や体調と関連して一時的に起こる程度であれば、ひとまず様子を見て、くり返す場合に受診するという対応でも大きな問題になりにくいと考えられます。
ただし、判断に迷うような強い痛みや、上記のサインが一つでもあれば、安全を優先して早めの受診をおすすめします。
みぞおちや上腹部の痛みは、胆のう・胆管や膵臓の病気でも起こります。
胆石発作や胆のう炎
心窩部から右上腹部にかけて痛みが持続し、発熱をともなうことがあり、脂っこい食事のあとに起こりやすい傾向があります。胆管が詰まると、発熱に加えて黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が見られることもあります。
急性膵炎
心窩部から左上腹部・背部にかけて強い痛みが持続し、前かがみになるとやや楽になることがあり、飲酒や胆石がきっかけになることが知られています。
痛みが広がる方向や、脂っこい食事・飲酒との関連、発熱や黄疸の有無などが見分けの目安になりますが、症状だけで確実に区別することは難しく、血液検査や腹部超音波・CTなどの検査が必要になります。気になる痛みは自己判断せず、医療機関にご相談ください。
胃痛だと思っていた症状が、実は命に関わる循環器・血管の病気だったというケースもあります。特に注意したいのが次の2つです。
急性冠症候群(心筋梗塞・狭心症)
心臓の血管の病気で胸の痛みが典型的ですが、心臓の下側の血流が悪くなるタイプでは、みぞおちの痛みや不快感、吐き気として現れることがあります。冷や汗や息苦しさ、肩や顎への放散をともなう場合は、特に注意が必要です。
腹部大動脈瘤(AAA)の破裂・切迫破裂、上腸間膜動脈(SMA)解離
お腹の大動脈にできた「こぶ」が破裂すると、突然の下腹部・腰・背部の耐えがたい激痛とともに、急激に血圧が下がりショック状態に陥ることがあり、命に関わります。破裂前は無症状のことが多い一方、切迫破裂の際には腹部や背部の痛みが現れることがあります。動脈硬化・高血圧・喫煙歴のある高齢の方で、拍動性の腹部のしこりを触れる場合などは、特に注意が必要とされています。
当院でも、腹部の張りと痛みを訴えて内視鏡検査を希望されて受診された方が、診察時の違和感からCT検査を行ったところ腹部大動脈の切迫破裂であることがわかり、そのまま高度医療機関へ搬送となった症例を、これまでにも複数回経験しています。危険なサインがあるか判断し、先にCTなどをチェック行う必要があります。

一般的なガイドラインでは、体重減少、出血(黒色便・吐血など)、くり返す嘔吐、飲み込みにくさや飲み込むときの痛み、腹部のしこり、発熱、高齢での新規発症、食道がん・胃がんの家族歴などをともなう方の胃の痛みには、胃カメラでの検査が望ましいとされています。器質的な病気(潰瘍や胃がんなど)を確実に除外するためにも、早めの検査をおすすめします。
こうした症状がなくても
そういう場合は、一度検査を受けておくと安心です。内視鏡検査では、痛みの原因となる潰瘍や炎症、がんなどの有無を直接確認できます。

胃の不調を防ぎ、症状を和らげるために、日常生活では次のような点を意識していただくとよいでしょう。

胃の痛みの多くは心配のいらないものですが、なかには早急な対応が必要な病気が隠れていることもあります。突然の激痛や出血、高熱、背中や肩への放散痛といった危険なサインがあれば、迷わず救急受診をご検討ください。
そして気になる症状が続くなら、一度消化器内科を受診し、必要であればきちんと検査を受けて安心を得ることをおすすめします。
吹田・摂津エリアにある健都はやしクリニックでは、院長をはじめとした内視鏡専門医が丁寧な診察と、鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査を提供できるよう努めています。健診結果や症状のご相談だけでも構いません。ご自身とご家族の健康を守る一歩として、どうぞお気軽にご相談ください。
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