2026年7月31日


はじめに:こんなお悩みはありませんか?
・健診や人間ドックで「異常なし」と言われたが、みぞおちが痛む
・少し食べただけでお腹がいっぱいになってしまう
・食後の胃もたれや胸やけが続いて、食事が楽しめない
・周囲から「気のせい」「ストレスのせい」と言われ、一人で悩んでいる
吹田市・北摂エリアで働くビジネスパーソンや子育て世代の方から、このようなご相談をよくいただきます。
結論から申し上げますと、そのつらさは決して「気のせい」ではありません。
検査で「異常なし」と言われても症状が続く場合、機能性ディスペプシア(FD)という、れっきとした病気の可能性があります。見た目(胃の粘膜)には傷や腫瘍がなくても、“胃の働き”そのものに不具合が起きている状態です。
忙しい毎日を送る方にこそ、ぜひ知っていただきたいこの病気について、分かりやすく解説します。
「異常なし」なのに、なぜ胃が痛い・もたれるのか
機能性ディスペプシア(FD)は、胃カメラなどの検査で潰瘍やがんといった明らかな異常が見つからないにもかかわらず、みぞおちの痛みや灼熱感、食後のもたれ、早期膨満感(食べ始めてすぐ満腹になる感覚)がくり返し続く病気です。「異常なし」というのは、あくまで見た目に傷や腫瘍がないという意味であり、胃の“働き”そのものに不具合が起きているのです。
胃の“働き”に起きる3つの不具合
・胃がうまく広がらない(受け入れの不具合): 食べ物が入ってきたときに胃の上部がふくらんで広がることができず、少し食べただけでお腹がパンパンに張ってしまいます。
・送り出す動きが乱れる(排出の不具合): 胃から十二指腸へ食べ物を送り出す動きが滞り、いつまでも胃に残っているような「重いもたれ感」につながります。
・胃が過敏になっている(感覚の不具合) :本来なら気にならない程度の胃酸や食べ物の刺激に対して、神経が過敏になり「強い痛み」や「焼けるような不快感」として脳に伝わってしまいます。
ストレスとの関係「脳腸相関」
脳と胃腸が互いに影響し合う「脳腸相関(脳と腸が自律神経やホルモンを介して影響し合う仕組み)」が深く関わり、ストレスや不安、睡眠不足が胃の運動・知覚を乱すことが知られています。ピロリ菌感染や感染性胃腸炎のあとに発症・悪化することもあり、多忙な吹田市・岸部エリアの働く世代にとっても他人事ではありません。
「胃カメラは受けなくていい」と思ったら危険な理由

「異常がないなら胃カメラは不要では」と考える方もいますが、FDは「検査で器質的な異常がないこと」が診断の前提となる病気です。重い病気が隠れていないかを確認していなければ、FDと診断すること自体ができません。
まず内視鏡で重い病気を否定する
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では、ピロリ菌の感染チェックに加え、胃がん・食道がん・胃潰瘍・逆流性食道炎など放置できない病気を早期に発見できます。
「異常がないと分かって初めてFDと診断でき、安心して治療に進める」という点で、最初の内視鏡には大きな意味があります。
吹田市・岸部エリアで受けられるAI搭載内視鏡「CAD EYE」
当院では見極めの精度を高めるため、富士フイルム社のAI内視鏡診断支援システム「CAD EYE」を導入しています。検査中にAIが胃・食道の腫瘍性病変が疑われる領域を報知音で知らせる仕組みで、医師の目とAIによるダブルチェックが可能です。色調のわずかな変化にとどまる見落としやすい早期がんの拾い上げを支援してくれます。
機能性ディスペプシアの治療——一度の処方で諦めず、一緒にぴったりの治療を見つけましょう
機能性ディスペプシア(FD)の治療は、「お薬」「漢方」「生活習慣の見直し」を組み合わせながら進めていきます。
ここでお伝えしたいのは、「最初のお薬で効果を感じられなくても、絶対に諦めないでほしい」ということです。FDは患者さんによって原因や胃の状態が微妙に異なるため、ぴったり合うお薬を見つけるまでに少し試行錯誤が必要なこともあります。
「薬を飲んだけどあまり変わらなかった…」という場合も、遠慮なくご相談ください。お薬の種類や組み合わせを変えることで、すっと症状が軽くなるケースはたくさんあります。
① お薬による治療(タイプに合わせて調整します)
症状に合わせて、まずは以下のようなお薬からスタートします。
1)みぞおちの痛み・胸やけが強い方 :胃酸の刺激を抑えるお薬(酸分泌抑制薬)を使い、胃粘膜への負担を和ら げます。
2)食後の胃もたれ・すぐにお腹がいっぱいになる方: 胃の動きを助けるお薬(消化管運動機能改善薬)を使い、食べ物をスムーズに小腸へ送り出せるようにします。
効果を見ながらお薬の量を調整したり、2種類を組み合わせたりします。また、慢性的な痛みや過敏さが強い場合には、少量の抗うつ薬(神経の過敏を鎮める作用があるもの)を追加して痛みのシグナルを抑えることもあります。
② 漢方薬(六君子湯など)で体のバランスを整える
ガイドラインでも推奨されている「六君子湯(りっくんしとう)」をはじめとする漢方薬も効果的です。 胃の動きを促すホルモンの働きを助け、「少し食べただけでお腹がいっぱいになる」「いつも胃が重い」といった症状をじっくり改善していきます。
③ 今日からできる生活習慣の工夫
お薬と並行して、日常のちょっとしたケアを取り入れることで治療効果が高まります。
・食事:1日3食を規則正しく、腹八分目でよく噛んで食べる
・控えるもの:脂っこい食事、激辛料理、アルコール、カフェインのとりすぎ
・姿勢:食後すぐ横にならず、30分〜1時間は体を起こしておく
・休息:しっかり睡眠をとり、軽い運動でストレスを解消する
※一度にすべて完璧にやろうとするとストレスになります。「できそうなこと」からひとつずつ試していきましょう。
忙しい吹田市・岸部エリアの方も通いやすい、当院の環境
「検査は受けたいけれど、つらそう・怖い・時間がない」という理由で受診をためらってきた方にこそ、当院の通いやすい環境を活用していただきたいと考えています。
・鎮静剤(静脈麻酔)を使った、うとうとと眠っている間に終わる楽な胃カメラ
・JR岸辺駅直結の立地で、お仕事帰りや空き時間にも受診しやすい環境
・駐車場は同一ビル内に2フロア分あり、2時間無料券あり
・火曜・水曜の午前中は女性医師による検査枠をご用意(要事前予約)
「以前の胃カメラがつらかった」方には鎮静剤を使った検査を、「女性の先生に診てほしい」方には女性医師の検査枠をご利用いただけます。
まとめ:胃の不調は我慢せず、まずは一度ご相談ください

胃の痛みやもたれがあるのに「異常なし」「気のせい」と言われると、どうしたらいいか分からず一人で抱え込んでしまいますよね。ですが、あなたが感じているつらさは決して気のせいではありません。
大切なのは、まず一度きちんと調べて「重い病気ではない」と確かめ、安心したうえで自分に合った治療を始めることです。
吹田・岸部エリアの皆様が、つらい症状を我慢し続けることなく笑顔で日常を取り戻せるよう、当院は負担の少ない検査とていねいな診療でお手伝いいたします。ご本人はもちろん、ご家族が気にかけておられる場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
初めて受診される方は、初めての方へのページもご参照ください。
監修

監修:健都はやしクリニック 院長 林史郎
資格
日本内科学会 総合内科専門医
消化器病学会 専門医
消化器内視鏡学会 指導医・専門医
膵臓学会
略歴
2018年 健都はやしクリニック開院
参考文献
日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア(FD)(改訂第2版)」
朝日公一ほか.機能性ディスペプシアに対する漢方治療―六君子湯を中心に他の方剤との使い分け.日本消化器・漢方医学会(J-STAGE).2023;19(5):361-.
富士フイルムメディカル「AI技術を活用して開発された内視鏡診断支援機能『CAD EYE』上部消化管病変検出機能を提供するソフトウェア『EW10-EG01 Ver2.0』提供開始」(2025年)
日本消化器内視鏡学会(JGES)市民向け情報「上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡)と治療」
※本記事は一般的な医学的エビデンスに基づく解説であり、個々の症状・検査結果の解釈や治療方針については必ず主治医にご相談ください。



